最高人民法院特許紛爭(zhēng)案件審理の法律適用問(wèn)題に関する若干規(guī)定
（2001年6月19日最高人民法院審判委員會(huì)第1180回會(huì)議採(cǎi)択。法釈 [2001] 21號(hào)。2001年7月1日施行。）
特許紛爭(zhēng)案件の正確な審理のため、「中華人民共和國(guó)民法通則」（以下「民法通則」）、「中華人民共和國(guó)特許法」（以下「特許法」）、「中華人民共和國(guó)民事訴訟法」及び「中華人民共和國(guó)行政訴訟法」等の法律規(guī)定に基づき、以下の通り規(guī)定する。
第1條
人民法院は次に掲げる特許紛爭(zhēng)案件を受理する。
1.特許出願(yuàn)権に係る紛爭(zhēng)案件
2.特許権の帰屬に係る紛爭(zhēng)案件
3.特許権、特許出願(yuàn)権譲渡契約に係る紛爭(zhēng)案件
4.特許権の侵害に係る紛爭(zhēng)案件
5.他人特許の詐稱(chēng)に係る紛爭(zhēng)案件
6.発明特許の出願(yuàn)が公布された後、特許権が與えられる前の使用料に係る紛爭(zhēng)案件
7.職務(wù)発明創(chuàng)造の発明者又は考案者の奨勵(lì)、報(bào)酬に係る紛爭(zhēng)案件
8.訴訟前に権利侵害の停止及び財(cái)産保全を申し立てる案件
9.発明者又は考案者の資格に係る紛爭(zhēng)案件
10.特許再審委員會(huì)による出願(yuàn)拒否を維持する再審決定に不服がある案件
11.特許再審委員會(huì)による特許権?zé)o効宣告の請(qǐng)求についての決定に不服がある案件
12.國(guó)務(wù)院特許行政部門(mén)による強(qiáng)制許諾実施の決定に不服がある案件
13.國(guó)務(wù)院特許行政部門(mén)による強(qiáng)制許諾実施の使用料の裁決に不服がある案件
14.國(guó)務(wù)院特許行政部門(mén)による行政再議の決定に不服がある案件
15.特許業(yè)務(wù)管理部門(mén)の行政決定に不服がある案件
16.その他の特許紛爭(zhēng)案件
第2條
特許紛爭(zhēng)に係る第一審の案件は、各省、自治區(qū)、直轄市人民政府所在地の中級(jí)人民法院及び最高人民法院の指定する中級(jí)人民法院が管轄する。
第3條
當(dāng)事者が特許再審委員會(huì)により2001年7月1日以降に下された実用新案権若しくは意匠権取消の請(qǐng)求についての再審決定に不服があり、人民法院に対し訴える場(chǎng)合、人民法院はそれを受理しない。
第4條
當(dāng)事者が特許再審委員會(huì)により2001年7月1日以降に下された実用新案権若しくは意匠権の出願(yuàn)拒否を維持する再審決定に不服があるか、又は実用新案権若しくは意匠権?zé)o効宣告の請(qǐng)求についての決定に不服があり、人民法院に対し訴えた場(chǎng)合、人民法院はそれを受理するものとする。
第5條
特許権侵害行為による訴訟は、権利侵害行為地又は被告住所所在地の人民法院が管轄する。
権利侵害行為地には、特許権、実用新案権の侵害を訴えられる製品の製造、使用、販売許諾、販売、輸入などの行為の実施地、特許方法使用行為の実施地、當(dāng)該特許方法により直接取得した製品の使用、販売許諾、販売、輸入などの行為の実施地、意匠権製品の製造、販売、輸入などの行為の実施地、他人特許の詐稱(chēng)行為の実施地、上記権利侵害行為の権利侵害による結(jié)果の発生地が含まれる。
第6條
原告が権利侵害製品の製造者のみに対して訴えを起こし、販売者を訴えず、権利侵害製品の製造地と販売地が一致しない場(chǎng)合、製造地の人民法院が管轄権を有するものとする。製造者と販売者を共同被告として訴える場(chǎng)合、販売地の人民法院が管轄権を有するものとする。
販売者が製造者の分化機(jī)関であり、原告が販売地で権利侵害製品の製造者の製造若しくは販売行為を訴える場(chǎng)合、販売地の人民法院が管轄権を有するものとする。
第7條
原告が1993年1月1日以前に提出した特許出願(yuàn)及び當(dāng)該出願(yuàn)により與えられた方法発明特許権により提起する権利侵害訴訟は、本規(guī)定第5條、第6條の規(guī)定に準(zhǔn)じて管轄を確定する。
人民法院は上述案件の実體審理において、方法発明特許権が製品に及ばないという規(guī)定を法により適用することとする。
第8條
実用新案権訴訟を提起する原告は、訴える際に國(guó)務(wù)院特許行政部門(mén)が作成した検索報(bào)告を提出しなければならない。
実用新案権、意匠権侵害紛爭(zhēng)案件の被告は、訴訟の中止を請(qǐng)求する場(chǎng)合、答弁期間內(nèi)に原告の権利につき無(wú)効宣告を請(qǐng)求しなければならない。
第9條
人民法院が受理する実用新案権、意匠権侵害紛爭(zhēng)案件において、被告が答弁期間內(nèi)に當(dāng)該権利の無(wú)効宣告を請(qǐng)求する場(chǎng)合、人民法院は訴訟を中止するものとする。但し、次の各號(hào)のいずれかに該當(dāng)する場(chǎng)合は、訴訟を中止しなくても良い。
（一） 原告が提出した検索報(bào)告に、実用新案権の新規(guī)性、創(chuàng)意性の欠如をもたらした技術(shù)的文書(shū)がない。
（二） 被告が提供した証拠により、その使用する技術(shù)がすでに周知されていると証明するに足りる。
（三） 被告が當(dāng)該特許権の無(wú)効宣告を請(qǐng)求する際に提供した証拠又はその依拠となる理由が明らかに不十分である。
（四） 人民法院が訴訟を中止してはならないと認(rèn)めるその他の事情。
第10條
人民法院が受理した実用新案権、意匠権侵害案件において、被告が答弁期間満了後、當(dāng)該権利の無(wú)効宣告を請(qǐng)求する場(chǎng)合、人民法院は訴訟を中止してはならない。但し、審査を経て訴訟を中止する必要があると認(rèn)められる場(chǎng)合を除く。
第11條
人民法院が受理した特許権侵害紛爭(zhēng)案件又は特許再審委員會(huì)の審査を経て権利を維持した実用新案権、意匠権侵害紛爭(zhēng)案件において、被告が答弁期間內(nèi)に當(dāng)該権利の無(wú)効宣告を請(qǐng)求した場(chǎng)合、人民法院は訴訟を中止しなくても良い。
第12條
人民法院は訴訟の中止を決定する際に、特許権者又は利害関係者が被告に対し関連行為の停止を命じたり、又は権利侵害による損失の拡大の継続を制止するその他の措置の採(cǎi)用を請(qǐng)求し、且つそれに対し擔(dān)保を提供している場(chǎng)合、人民法院は関連法律規(guī)定に適合するという審査を経て、訴訟を中止する裁定を下すと同時(shí)に一括して関連裁定を下すことができる。
第13條
人民法院が特許権に対し財(cái)産保全措置を執(zhí)る場(chǎng)合、國(guó)務(wù)院特許行政部門(mén)に執(zhí)行協(xié)力通知書(shū)を出し、執(zhí)行協(xié)力事項(xiàng)及び特許権保全の期間を明記し、且つそれに人民法院の裁定書(shū)を添付しなければならない。
特許権保全期間は一回につき6ヶ月を超えてはならず、國(guó)務(wù)院特許行政部門(mén)が執(zhí)行協(xié)力通知書(shū)を受けた日から計(jì)算することとする。依然として當(dāng)該特許権に対し引き続き保全措置を執(zhí)る必要がある場(chǎng)合、人民法院は保全期間満了前に、國(guó)務(wù)院特許行政部門(mén)に保全措置を継続するという執(zhí)行協(xié)力通知書(shū)を別途送達(dá)しなければならない。保全期間満了前に送達(dá)しない場(chǎng)合、當(dāng)該特許権に対する財(cái)産保全は自動(dòng)的に解除されたものとみなす。
人民法院は、抵當(dāng)が設(shè)定されている特許権に対して財(cái)産保全措置を執(zhí)ることができる。抵當(dāng)権者の優(yōu)先弁済権は保全措置の影響を受けない。特許権者と被許諾者の間で締結(jié)された獨(dú)占許諾実施契約は、人民法院の當(dāng)該特許権に対する財(cái)産保全措置の執(zhí)行に影響を及ぼさない。
人民法院は既に保全を行った特許権に対し、重複して保全してはならない。
第14條
2001年7月1日以前に、職場(chǎng)の物質(zhì)的、技術(shù)的條件を利用して完成した発明創(chuàng)造について、同職場(chǎng)と発明者又は考案者が契約を締結(jié)し、特許出願(yuàn)権及び特許権の帰屬につき約定している場(chǎng)合は、その約定に従う。
第15條
人民法院が受理した特許権侵害紛爭(zhēng)案件が、権利抵觸に係る場(chǎng)合、事前に法により権利を享有する當(dāng)事者の合法的権利を保護(hù)しなければならない。
第16條
特許法第23條にいう事前に取得した合法的権利とは、商標(biāo)権、著作権、企業(yè)名稱(chēng)権、肖像権、著名商品の特有包裝又は裝飾の使用権等を含むものとする。
第17條
特許法第56條第1項(xiàng)にいう「特許権又は実用新案権の保護(hù)範(fàn)囲は、その権利請(qǐng)求の內(nèi)容を基準(zhǔn)とし、説明書(shū)及び図面は権利請(qǐng)求の解釈に使うことができる」とは、権利の保護(hù)範(fàn)囲は、権利請(qǐng)求書(shū)の中に明記された必須技術(shù)特徴により確定される範(fàn)囲を基準(zhǔn)とすることを指し、それには當(dāng)該必須技術(shù)特徴と同等の特徴により確定される範(fàn)囲も含むものとする。
同等な特徴とは、記載された技術(shù)的特徴と基本的に相同する手段により、基本的に相同する機(jī)能を?qū)g現(xiàn)し、基本的に相同する効果をもたらし、且つ當(dāng)該領(lǐng)域の普通の技術(shù)者が創(chuàng)造的な労働を経なくても連想できる特徴を指す。
第18條
特許権侵害行為が2001年7月1日以前に発生した場(chǎng)合、修正前の特許法の規(guī)定を適用し民事責(zé)任を追及するものとする。2001年7月1日以降に発生した場(chǎng)合、修正後の特許法の規(guī)定を適用し民事責(zé)任を追及する。
第19條
他人の特許を詐稱(chēng)した場(chǎng)合、人民法院は特許法第58條の規(guī)定に基づいて民事責(zé)任を追及することができる。特許業(yè)務(wù)を管理する部門(mén)が行政処罰を科さなかった場(chǎng)合、人民法院は民法通則第134條第2項(xiàng)の規(guī)定に基づいて民事制裁を科することができる。民事罰金の金額は特許法第58條の規(guī)定を參照して確定することができる。
第20條
人民法院が特許法第57條第1項(xiàng)の規(guī)定に従って権利侵害者の賠償責(zé)任を追及する場(chǎng)合、権利者の請(qǐng)求によって、権利者の権利が侵害された損害額或いは権利侵害者が権利侵害によって取得した利益額に基づき賠償金額を確定することができる。
権利者の権利が侵害された損害は，権利侵害により減少した特許権者の特許製品の販売総數(shù)と特許製品の合理的な利潤(rùn)との積により計(jì)算する。権利者の減少した販売総數(shù)の確定が難しい場(chǎng)合、権利侵害製品の市場(chǎng)販売総數(shù)と特許製品の合理的利潤(rùn)との積を、権利者の権利が侵害されて受けた損害とみなすことができる。
権利侵害者が権利侵害によって取得した利益は、當(dāng)該権利侵害製品の市場(chǎng)販売総數(shù)と権利侵害製品の合理的な利潤(rùn)との積により計(jì)算する。権利侵害者が権利侵害により取得した利益は、一般に権利侵害者の営業(yè)利潤(rùn)により計(jì)算し、完全に権利侵害を業(yè)とする権利侵害者に対しては、販売利潤(rùn)により計(jì)算することができる。
第21條
被害者の損害又は侵害者の利益を確定することが難しく、特許許諾使用料を參照できる場(chǎng)合は、人民法院は特許権の種類(lèi)、権利侵害者の権利侵害の性質(zhì)及び情狀、特許許諾使用料の金額、當(dāng)該特許許諾の性質(zhì)、範(fàn)囲、時(shí)間などの要素を考慮し、當(dāng)該特許許諾使用料の1倍から3倍を參照して合理的に賠償金額を確定することができる。特許許諾使用料の參考ができない場(chǎng)合、又は特許許諾使用料が明かに合理的でない場(chǎng)合、人民法院は特許権の種類(lèi)、権利侵害者の権利侵害の性質(zhì)及び情狀などの要素に基づいて、一般に人民元5000元以上30萬(wàn)元以下の範(fàn)囲內(nèi)で賠償金額を確定することができるが、最大でも人民元50萬(wàn)元を超過(guò)してはならない。
第22條
人民法院は権利者の請(qǐng)求及び具體的な案件の狀況に基づいて、権利者が権利侵害行為を調(diào)査、制止する際に支払った合理的な費(fèi)用を、賠償金額範(fàn)囲內(nèi)に算入することができる。
第23條
特許権侵害の訴訟時(shí)効は2年とし、特許権者又は利害関係人が権利侵害を知り得た日又は知る得るべき日より起算する。権利者が2年を超えて提訴している場(chǎng)合で、権利侵害行為が提訴する時(shí)點(diǎn)でも依然として継続しており、當(dāng)該特許権が有効期間內(nèi)にあるときは、人民法院は被告に対し権利侵害行為を停止する判決を下さなければならない。権利侵害に対する損害賠償の金額は、権利者が人民法院に提訴した日から2年前までを推算する。
第24條
特許法第11條、第63條にいう販売の許諾とは、広告、店のショーウインドー內(nèi)の陳列、展示會(huì)での展示などの方式を通じて商品販売の意思表示を行うことをいう。
第25條
人民法院が受理した特許権侵害紛爭(zhēng)案件が、既に特許管理部門(mén)より権利侵害或いは非権利侵害の認(rèn)定を受けている場(chǎng)合でも、人民法院は依然として當(dāng)事者の訴訟請(qǐng)求に対し全面的な審査を行わなければならない。
第26條
以前の司法解釈が本規(guī)定に合致しない場(chǎng)合、本規(guī)定を基準(zhǔn)とする。
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